ウィリアムモリスギャラリー:ウィリアムモリスを巡る旅1


木の葉も色づいて、秋になりましたね。

イギリスは日に日に日が沈むのが早くなっています。

さて、イギリスを満喫すると決めた今年の夏。

前々より深く調べてみたかった ”ウィリアムモリス”をテーマに、モリスゆかりの場所を数カ所を訪ねました。

これから数回に分けて、私のモリスを辿る旅、の様子をお伝えしたいと思います。

まず、最初に訪ねたのは、ウィリアムモリスギャラリー。


(我が家ではありません。笑)

ウィリアムモリス、と言えば、アーツアンドクラフト運動で有名です。

でも、アーツアンドクラフト運動って?と友人に聞かれ、いい機会なので改めて復習してギャラリーへ。

18世紀にイギリスで起こった産業革命。それまで主だった手工業から機械生産に移行し、それは産業上の大きな変化でした。機械生産の方が便利、と単純に思えますが、デメリットとして機械による大量生産の粗悪品が市場にたくさん出回りました。また職人によるものづくりの喜びや、やりがいも機械に奪われてしまったのです。

モリスはそんな状態を憂い、中世のような職人の美しくこだわりのある手仕事に還るべきと考え、同じ志の仲間と共に”アーツアンドクラフト運動”を始めました。

それは、

手仕事の美しさや職人による工芸品に価値を見出し、生活と芸術を統一させ、日用品をアートのように美しくする、

というものでした。

さて、そのウィリアムモリスは、ロンドン北東で裕福な少年時代を過ごしました。

その家が、現在はウィリアムモリスギャラリーとしてオープンしています。

William Morris Gallery

サイトはこちら(英語のみ)


建物は、現在では歴史保護建築グレード2に指定されているジョージアン様式の建物。

地下鉄から徒歩で行ける距離にあるので、ロンドン滞在中に足を延ばすのにオススメの場所です。


モリスが住んでいた、というブループラークもお見逃しなく!

個人的には、モリスゆかりの場所を巡る時に、ここが一番最初に訪れるのにいい場所だと思っています。

モリスのデザイナーとしての側面だけでなく、生い立ちから人生も紹介されていて、あまり知られていない?社会主義活動家としての面や、彼が携わった本のデザインなども含め幅広く紹介されています。

モリスがどのような人でどのような活動をしていたのか、がよくわかる場所なのです。

ギャラリー自体は部屋毎にテーマが分かれ、裕福な家庭に生まれたモリスの子供時代の話から、その後の人生に大きく関わるたくさんの出会いに恵まれたオックスフォード大学時代、デザイナーとしてもモリスのビジネス、そして当時彼が持っていた工房ややオックスフォードストリートにあったショップ、その後の人生等、じっくり見ていると、すっかりモリスでお腹いっぱいになれます。笑 

工場の紹介をしているお部屋では、ブロックプリントという壁紙の作り方や、モリスのデザインパターンについてなど、わかりやすく説明されていて、大人から子供まで楽しめる場所です。


当時の工場では、このように染めた壁紙を天井から吊るして乾かしていたそうです。

そうそう、モリスが当時生地を染めたり壁紙を作っていた工場はロンドン南西部のマートンアビーにあり、実は私の家の近くなのです!


(上の模型は当時の工場の様子です。染めた生地をこの川で洗っていたそうです。)

実は最初にこのウィリアムモリスギャラリーに来た時に、たまたまうちの近所の地名(Merton Abbey)があるので、”あれ?”と思ったら、なんとうちの近所にモリスの元工場があるなんて!!ということで、その場所を訪ねた時のお話を当時書きました。 

”ウィリアムモリスの工場跡地へのお散歩” は こちら。

あまりに近所なので、以来すっかりモリスを身近に感じている私です。笑

残念ながら工場跡地でこの記事を書いた時はパブだったところは、今は閉店してしまいました。。

こんな素敵な歴史のある場所なので、上手くアピールしたらきっとたくさんお客さんが来ると思うのに。。(少なくとも私は通います)

さて、当時のショップの様子が再現されているところでは、当時のファブリックや壁紙のサンプルブックも!




ひとつの場所で壁紙やファブリックがコーディネートして見られるというショールームは、当時とても画期的だったようです。

モリスはデザイナーとしてだけでなく、ビジネスマンとしての才能もあったんですね!

実はウィリアムモリスギャラリーに来るのは、3回目。行く度に新鮮な発見があります。

今回は、デザイナーとしてもモリスはもちろんのこと、彼の”人生”や彼を取り巻く人間模様、という側面も、興味深かったのです。というより、”えぇーーー?!”というような人間模様に、私の興味はそそられたというのが真実です。笑

モリスは元々は聖職者志望でオックスフォード大学に進み、在学中にその後のモリスの人生を形作るような、友でありビジネスパートナーともなる、エドワード バーン=ジョーンズ(Edward Burne-Jones)、ダンテ·ガブリエル·ロセッティ(Dante Gabriel Rossetti)、フィリップ·ウェッブ(Phillip Webb)という友人たちと出会いました。

彼らはプリラファエロのスタイルに影響を受けて、”Brotherhood”として活動をしています。北フランスへ旅行中に中世の教会建築に魅せられて建築を学び始め、そこからレッドハウスへのインスピレーションも多く得ました。ある日の教会でモリスの友人ロセッティが目を止めた美しい女性ジェーン(Jane)は彼らの描くプリラファエロスタイルの美の象徴となり、彼女に一目惚れしたモリスは卒業後に彼女と結婚。


(Source: http://www.auburn.edu/~keirscm/britlit/rossetti_proserpine.jpg)

多くの夢と、モリスの掲げる思想を具体的な形で実現させたのが、レッドハウスだったのですが。。。


(レッドハウス)

実はモリスの妻ジェーンは、ロセッティに淡い恋心を抱いていたそうな。。

ギャラリー内の展示にもそう書いてありました。きっと以前来た時から記述は同じでしょうが、今回初めて気づきました。今までモリスのことを単にビィクトリア時代のアーツアンドクラフト運動の指導者で、順風満帆な人生を歩んだ成功したデザイナー、というイメージだけで見ていましたが、実際のところはそれだけではなかったようです。。

これから他のモリスゆかりの場所も訪ねながら、彼の人生への理解をもっと深めていきたいと思います。

すると、彼のデザインや活動にも新しい見方ができるかと思ったりしています。

というわけで、このギャラリーでモリスという人間と人生について、ヒントを得たら。。。

次はモリスとジェーンの新婚生活の家。

モリスが友人フィリップ·ウェッブと共にデザインした、レッドハウスへ行ってきます!

このギャラリーだけでも真剣に見るとだいぶモリスで満腹になるので、帰りはコンサバトリーになっている併設のカフェや背後に広がる公園でのんびり♪もおすすめです。


(カフェの様子)

では、また続編をお楽しみに〜!

他のウィリアムモリスを巡る旅は、以下からリンク先へジャンプします。

レッドハウス(モリスが唯一デザインし建てた自邸)

スタンデンハウス(モリス商会がデザインしたクライエントの家)

ケルムスコットマナー(モリスが”地上の楽園”と呼んだ自邸)

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