北イタリア Andrea PalladioのVillaを巡る旅


今年は少し早いホリデーとして、6月にアンドレーア・パッラーディオ(Andrea Palladio)のヴィラ(Villa)を巡る旅をしました。今回はその旅の思い出です。(きっかけについては、こちら"2019春夏のイギリスおでかけ記”



アンドレーア・パッラーディオはルネサンス後期1500年代後半に活躍したイタリアの建築家です。彼の建築はパラディアン様式(Palladian Style)として確立し、後世に大きな影響を与えました。私が以前より大好きなイギリスのネオクラシカル建築もこのパッラーディオの建築に影響を受けています。



彼は北イタリアのベネト地方を中心に、ヴィラと呼ばれる貴族の別荘を残しました。それらのヴィラは彼が活動したVicenza(ヴィツェンツァ)の街と共に世界遺産登録されています。



イギリスでのネオクラシカル建築のお屋敷巡りから始め、それらのお屋敷の多くに影響を与えた存在として知ったこのアンドレーア・パッラーディオ。今回の旅はヴィラ以外にも彼にゆかりのある場所を訪ねることにしました。




さっそく今回の旅をご紹介します。


まず最初にしたのは、ルート計画。

ヴィラの多くは郊外にあるため、今回はレンタカーを借りて回りました。

行きたいヴィラを考えつつ、各場所と開館日時をチェックしながら、ヴィラ以外にもVicenzaの彼が活躍したVicenzaの街もルートに入れつつ、計画を練ります。こういうの、とてもわくわくしますね。




最初に行ったのは、ヴィラ・フォスカリ(Villa Foscari) 通称ラ・マルコンテンタ(La Malcontenta)です。

ベネチアの名門貴族フォスカリ家の別荘として建てられました。



今回の旅はベネチアのマルコポーロ空港からスタート。ベネチア近くのヴィラからスタートして、ヴィツェンツァの街を目指します。(ヴィツェンツァはミラノとベネチアの中間程にあります)




ヴィラ・フォスカリの入り口です。



世界遺産登録のマークがあります。



さぞかし人気の場所かと思いましたが、混んではいなくてゆっくり見られます。

内部はどこも写真撮影不可なので、脳裏に焼き付けるべくじっくり見ます。





お天気が良くて、最高のヴィラ巡り日和です!

Villaの後ろに広がるお庭からの一枚。後ろ側もとても立派です。





次はヴィラ・エモ(Villa Emo)

回廊が印象的な、フェミニンな雰囲気です。(横に長過ぎて写真に収まっていませんが。。)





そして、Villa Barbaro(ヴィラ・バルバロ)

正面にはコンテンポラリーアートの展示がありました。



お天気いいのは嬉しいのですが、30度を超える夏日。暑い日差しに外ではワンコもお昼寝中。。


足早に3つのVillaを駆け抜けました。

共通したアンドレーア・パッラーディオらしいデザインがありながらも、ひとつひとつはユニークです。





この後は、バッサーノ・デル・グラッパ(Basarno del Grappa)という街に立ち寄りました。


ここにはアンドレーア・パッラーディオが設計したヴェッキオ橋(Ponte Vecchio)が残っています。

オリジナルは1569年にデザインされましたが、第二次世界対戦中に破壊されて現在のものはその後復元されました。木造の趣きある橋です。




名前の通り、グラッパの街。橋の入り口にグラッパのお店がありました。




中に入るといろんな種類があって、試飲もできるのです。考えて見たら飛行機で来ているので手荷物で持てる100mlしか買えないのですが。。それでも小さなボトルの2本をおみやげにしました。




ここから南へ向かって、ヴィツェンツァ(Vicenza)へ。




この街は、アンドレーア・パッラーディオが人生の大半を過ごした場所で、彼の残したヴィラと共に世界遺産登録されています。


街の中にも、いくつもの彼の作品があります。


世界最古の劇場で現在も使われている、テアトロ オリンピコ(Teatro Olimpco) 








美術館になっている、パラッツォ・キエリカーティPallado Chiericati)

元々はキエリカーティ家の邸宅でしたが、19世紀中頃に市に購入されて美術館になりました。




街の中心地にあるバジリカ。(Basilica)




バジリカの近くには、アンドレーア・パッラーディオの像。




アンドレーア・パッラーディオ のミュージアムも訪ねました。



ここではアンドレーア・パッラーディオの人生も紹介され、各ヴィラの解説もありました。

また彼が建築コストを下げるために取ったいくつかの方法も紹介されていて、興味深かったです。




街は小さいので、歩いて回れます。

途中この街で一泊しましたが、小さいながらも長い歴史と共にあり、洗練された雰囲気が漂う素敵な街でした。



今回の旅のメイン、ヴィラ・ラトンダはこの街から車で10分程の距離にあります。



門から中に入るなり、出迎えてくれたのは、バラの香り。

前回来た時に見かけたバラの茎は、見事に花を咲かせていました。





両側から漂うバラの香りに包まれながら、正面にあるヴィラ・ラトンダに吸い込まれるように歩を進めます。





シンプルながら、とても洗練された佇まい。

1本ずつの線やその配置もとても美しく、力強さも感じます。


これが、時を超えて人々にインスピレーションを与え続けている、本物の存在感なのでしょう。

その本物の中に身を置き、感じることができることをとても幸せに思いました。



美は強さであり、

インスピレーションはエネルギーとなり、人々に何かを伝え続けている。

本物こそが持つ、真のエネルギーがあるように思いました。



17-18世紀のイギリスでのグランドツアー(貴族の子弟が見聞を広めるために行った大陸での遊学)で多くの人がこの地を訪れ、インスピレーションを得ました。そしてイギリスでのパラディアン様式やネオクラシカルスタイルの建物へと繋がりました。



そのイギリスでのお屋敷巡りからスタートした私。知るうちにその建物に影響を与えたものをもっと知りたくなり、ついにここに辿り着いたのでした。今までイギリスで見た建物がここからインスピレーションを受けているのだと思うと、とても感動的です。



今までイタリアというと、家具の展示会ミラノサローネでイタリアンモダンを見ることの多かった私には、この歴史的建築から受ける感動は新鮮かつ衝撃的でした。


歴史ある本物からは、新しい発見がたくさんあります。


今回の旅で、当然のことを再実感しました。それは”歴史とは繋がっている”ということです。


今あるモダンなものと、遠い昔のクラシカルなもの。そのつながりはどこにあるのかと疑問に思う時がありました。でも、こうして身近なイギリスのネオクラシカル建築の源を探ってここに辿りつくと、そのつながりが感じられたのです。




この旅を終えてロンドンに戻った時、今まで見ていたネオクラシカル建築が少し違って見えましたのが不思議でした。イタリアのものと比べて云々、というわけではなく、これはイタリアにインスピレーションを得て、イギリス風にアレンジされたものかもしれない、と感じたのです。



それはともかく、今回アンドレーア・パッラーディオの建築巡りを通して感じたことや見た光景のひとつずつは、素晴らしい感動として私の中に刻まれ、今も息づいています。


得たものが多過ぎて、旅から数ヶ月を得た今も咀嚼中ですが、これからも少しづつ理解を深め続けたいと思います。




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