地球の裏側から住まいづくり8)1階間取りの秘密


70代を目前にした両親が住む、ワンフロア約35㎡の2階建という都内の典型的な狭小住宅。北側以外の3辺が同じ2階建の高さの住宅に囲まれて日当たりも限られています。狭い、暗いという悪条件に負けず、いかに老後の叶えたいライフスタイルを実現する家にするか。間取りはとても大切なポイントでした。その間取りを考えるにあたり、工夫した点をご紹介します。(今回は1階部分、次回は2階部分)



間取りを考えたプロセスとしては、前回の記事”地球の裏側から住まいづくり8)間取りが全てを決める!”をご覧ください。



この家は基本的にリビングが2階で、寝室が1階です。



1階を寝室(プライベートエリア)にした理由


この家は最初から生活のメインの場所(キッチン、ダイニング)を2階に持って来ようと思っていました。住宅地に位置して、北側を除く3方がご近所の家に囲まれています。日当たり、風通しのなるべく良い場所に生活のメインの場所を持ってきたいと思ったからです。

ゲストは家に入るなり、右手に続く階段で2階のパブリックエリアへ。

1階は寝室とバスルーム、というプライベートの空間です。

1階のバスルームへつながる洗面所は寝室に付いています。イギリスのベッドルームにはオンスイートは結構多いです。洗面、トイレも一緒になっているので、ひろびろ使いがってもいいです。

うちは2階にも別に広めのトイレを設け、お客様は2階のトイレを使うので、1階は寝室を使う家族だけの洗面とトイレです。2人しかいないので、同じ空間に洗面とトイレを入れました。別々にするとそれぞれがとても小さい空間になりますし、将来的に介護の手が入った際のことも考慮すると、広めの空間に並んでいる方が便利だと思ったのです。

*何でも揃う収納の“ぶちこみ部屋”


収納を考える際に、母からの第一のリクエストにあったのが、玄関からまっすぐ入れる“ぶちこみ部屋”でした。すごい名前です。笑

全てが一箇所にあり一目で見渡せて、そこに行けば支度が一度で済んで、そのまま出かけられる。

確かに収納があちらこちらにあると、どこに何があるかがわからなくなりがちです。

ウォークインクローゼットのようなものでしょうか。

ただうちは同時に何でも置ける物置部屋のようなものも必要でした。今回の家でクローゼットと物置部屋それぞれを取るのは厳しい。。というわけで、思い切って両方を兼ねるスペースにしました。

その空間は下から上までびっちりとものをしまえ、一目で見渡せるスペース。

何をどのようにしまうかを考えて、引き出しやハンガー用パイプスペースを用意しました。

収納を考えるときに、とりあえず収納スペースを作るのではなく、“何をどのようにしまい、取り出すか”を考えた収納にするのが大切だと思います。使い勝手が悪いと結局使わなくなってくるのです。

この時に活躍したのが、通販の収納特集号です。日本の無駄なく効率良い隙間収納アイテムは本当に素晴らしいと思いました!

イギリスではここまできめ細かく整理整頓された収納をまず見ません。笑

大切なのは、広さよりも、”広さ感” ー フォーカルポイント、視線の向かう先を意識する


ワンフロア約35m2、というワンフロアが1LDK程度のサイズです。1、2階合わせた場所より広いワンフロアのマンションの住んでいた両親が、狭さをあまり感じることなく、コンパクトに使い勝手よく使えるように、いろいろと考えました。

“狭さ”は一般的にはネガティブです。広さを変えることはできません。でも、工夫することで“広さ感”を変えることはできます。

私は子供の頃から東京の集合住宅で暮らしてきたので、狭い空間を使うのが得意です。

今回は、仕切りをなくすことでなるべく開放感を出し、視線の抜ける場所を作ること、それと視線の先のフォーカルポイントを意識して“行き止まり感”を感じさせないように気をつけました。それと、収納、洗面&トイレなど使用頻度と使う時の状況を考えて、場所を共有できるところはして、その分広く使うようにしました。

自分で言うのも何ですが、サイズのわりに狭さを感じさせない家になっていると思います。

出来上がった今ではご近所の方がいらっしゃる度に、家のサイズのしては広々感じると言われているそうです。

頭を抱えた苦労が報われて嬉しいです。


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