日本人だった、私。



(写真は東京で伺ったガラスアーティストのノグチミエコさんの展示会にて。ガラスの雛人形です。ウェブサイトはこちら

2週間程、東京へ戻っておりました。

今回の目的はいくつかのお仕事の打ち合わせと、高齢になりつつある家族との、恒例になりつつある小旅行。

慌ただしくても、実りある滞在になったことに感謝しつつ、最終日にはお墓参りでご先祖さまへの感謝をして、日本滞在を終えました。

さて、今回の滞在中、都内のフレンチブランドのお店でお買い物をした時のこと。

すごく流暢な日本語を話すフランス人?と思われる方が接客してくれました。話し方も表現もネイティブみたいです。時々聞こえるフレンチアクセントとフレンチブランドだから、、、という思い込みで、彼はフランス人だろうと何気なく思った私。

私: ”フランスの方ですよね?”  

彼: ”はい、フランス人、でした。” 

”でした” と、一拍置いて過去形を付けたことに、思わず深く頷いてしまった私。

海外在住の私は日本で免税を受けられ、このお店でも最初にその話をしてあったため、この方は私が海外在住者だとご存知。

彼:”日本人、でしたよね”

私:”はい、そーです。。。”

とやり取りして、顔を見合わせて笑いました。

側から聞いたら不思議な会話に聞こえるかもしれないけれど、その感覚に私は大いに納得したのでした。

思えば、私の海外生活も、国や大陸が変わりつつも、合計すると10年近くになります。

(ロンドンの私の周りの永住者の方は20、30年···という方が沢山いらっしゃるので、私はまだまだ新人なのですが。。)

海外生活が長くなり、これからも住み続けるとなれば、良くも悪くもその土地の文化や環境に馴染んでいきます。

ある時、在英数十年という日本人の方と話していても、似たような話になったことがあったのです。

”日本人だった、という感覚が近いね。”と。

この話を父にしたら、ピンと来ない様子。父はずっと日本に住んでいる日本人。アルファベットを書くのも苦手なくらいです。

私: ”例えば、お父さんは山梨県生まれで、18歳まで山梨に住んでたでしょ?その後は東京生活が長い。

   今の自分を振り返ったら、やっぱりずっと山梨に住んでいたであろう自分とは違うと思うでしょ。

   そうすると、”山梨人”でしたって感覚が近くない?”

父: ”確かにそうだね。まぁ、山梨も東京も同じ日本だから、多少の差はあれど近い部分は多いけどね”

そう、ヨーロッパ出身の人と話していると、こういう返事が返ってくるのです。

”ヨーロピアンだから”というような。

その点、日本は遠い。ヨーロッパからしたら”極東(Far East)” なわけです。

”日本人”が薄くなったからと言って、”イギリス人” になれるわけでもなく。。。

この外国生活に馴染むというのは、思った以上に難しいです。

なれないものになろうとして苦しんだ時期もありました。

でも焦っても仕方ない。

だって日本で生まれて、日本で育って、大人になっても住んでいて、、、30年程もいたんです。私のルーツはやはり日本。

今は、自分の日本人としての生い立ちと、今ある環境を生かして、日本と自分のいる場所をインテリアでつなげたいと思っています。

自分が中途半端な位置付けのように思える時もありますが、そもそも”〇〇人”なんていう、考え方に意味がないような気がするのです。

だって、私は私で、その人はその人です。

生まれ育った国や地域で受ける影響はあるでしょうが、それも環境にもよるもの。日本国内でも、伝統的な日本の環境もあれば、外国的な環境もあります。そのどちらが良いでも悪いでもなく、単に特色です。

どこで生まれても、どこで育っても、それぞれの個性です。

国籍や人種なんて所属のようなもので、個性の一部なだけだと、今は思います。

余談ですが、私の名前は”洋子”です。 

太平洋のように心が広く、、という願いを込めて付けられたようですが、私は外国的な雰囲気ゼロの、極めて日本的な家庭で育ちました。

イギリスに行きたいという私に対し、

”外国なんて、銃で打たれたら危ないからやめなさい” と母。 イギリスでは銃は持てませんが。。笑

それでも、私は海を渡って、地球の裏側の住人になってしまいました。

今回の日本滞在中、兄家族のところへ行きました。

12歳になる姪っ子がいます。

母がその子に言いました。

”これからは海外に行く時代だから、世界を見なくっちゃ!”

”え~!?言ってることが全然違うんですけど、、、。と言う私に、

" だって、知らなかったんだもん!” と母。

人は変わるのです。笑

”日本人だった私” もこれから変わって行くのでしょう。

今感じる戸惑いも難しさも、今だけかもしれません。

でも、いつまでも自分のルーツである日本の良さを心に持って、変化を楽しみながら、地球の裏側で頑張りたいと思います。


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