パリの思い出3:モネの絵を巡る、パリの休日
インテリアの展示会のためにパリに行ったお話の続編です。
今回はローマならぬ ”パリの休日♪” として、パリでモネの絵たちを訪ねました。
これまでのお話:(下のリンクよりジャンプできます)
なぜモネ?と聞かれます。
元々のきっかけは2018年7月にロンドンのナショナルギャラリーで見た”Monet & Architecture"という展示会です。その展示会に感動しモネの絵が描かれた場所を見たくなり、前回パリの展示会へ来たついでにノルマンディーへ”モネの足跡を巡る旅”として足を伸ばしたのです。
その旅でますますモネのファンになった私は、今度はパリにあるモネの絵を見ようと思ったのでした。
”モネの足跡を巡る旅”の記事はこちら
(写真はジベルニーにあるモネの自邸の庭での1枚。)
さて、今回巡ったのはパリにあるこの2つの美術館。
Musee Marmottan Monet (マルモッタン モネ美術館)サイトはこちら。
Musée de l'Orangerie (オランジェリー美術館)サイトはこちら。
最初に訪れたマルモッタン・モネ美術館。
パリ市内西部ブローニュの森に近い16区、閑静な住宅地の公園の前にあります。
建物自体は1840年に狩猟用に建てられたもので、美術史家、収集家であったポール・マルモッタンの父が1882年に購入し、邸宅に改造。
コレクションはポール・マルモッタンのものでしたが、彼の死後は寄贈され、1934年より美術館として公開されました。
1966年にモネの次男ミシェル・モネから父親モネの作品が多数寄贈され、美術館名にMonetが追加されたそうです。
モネが書いたミシェルの絵もありました。
世界最大級のモネの作品コレクションがあり、印象派の名前の由来となったモネの代表作、印象・日の出があることでも有名です。
実はポール·マルモッタンの収集品の多くは、新古典主義というナポレオン時代に流行した様式の絵画とアンピール様式の調度品。
入って最初に見られるのは素晴らしいお屋敷インテリアと絵画です。
個人的には、こうしてお屋敷の中のインテリアとして絵画がある方がより魅力的に感じます。
豪華なインテリアを満喫した後に、見事な絵画コレクションが始まり、そして地下にもまた世界最大級のモネコレクションがあるのです。
(ジベルニーの自邸の庭に立つモネの写真がありました。私もこの庭に行ったのです〜!!感激です。)
こんなにモネの絵だけを中心に見たのは、ナショナルギャラリー企画展の”Monet &Architecture”以来かもしれません。これが常設展とはさすがです。
モネの庭をテーマにした絵が並んでいます。
モネの絵画を目的に来たのですが、予想以上のコレクションの多さに圧倒されました。。
素晴らしいインテリアと、モネを始めとする名画の数々を楽しめる穴場のような美術館だと思いました。
美術館内で絵画を満喫した後は、表の公園でのんびりするのもいいですね。
そして、もう一つ訪れたのは、オランジェリー美術館。
1区コンコルド広場の隣にあります。元々はオレンジ温室(オランジュリー)だったそうで、確かにその通りの外観です。
1927年にモネの睡蓮の連作(The Water Lilies Cycle) を収めるために、美術館になったそうです。
中に入りまっすぐ進むと、その先の2部屋に睡蓮の連作は展示されています。
部屋に入った瞬間、ジベルニーのモネの自邸の庭で見た、あの池にいるような気がしました。
じっくりと絵に見入ると、まるで吸い込まれそうです。
モネ自身がデザインし、亡くなる前の30年間多くのインスピレーションを受けたという「水の庭」。
私もその庭にいたのはたった数時間でしたが、それでも光によって様々な表情が見えるのです。
同じようでいて、二つと同じでない庭。
ずっと居たくなるような、とても居心地のいい庭でした。
解説によると、オランジェリー美術館に展示されている8枚の連作のうちの2枚は、1918年11月11日の終戦の翌日に、モネの友人である政治家 ジョルジュ・クレマンソーを介して平和のシンボルとしてフランスに贈られたそうです。
ちょうどこの期間中は、モネとクレマンソーとの交流を紹介する展示がありました。
モネとクレマンソーがあの橋の上に並んで立っている写真も展示されていました。
モネにとって、睡蓮は和解のシンボルでした。
大戦で疲労したフランスに対し、モネは睡蓮の連作を寄贈することで、
パリの人々に瞑想へと誘う隠れ家のような安らぎの場を提供しようとしたそうです。
2つの展示室に8枚のパネルで、東の日の出から、西の夕陽まで、時の流れを連想させるような配置です。
朝焼けの頃は、こうなのかな?
庭の様子を思い出しながら、ひとつひとつじっくりと鑑賞しました。
この場所自体もきっと1日の中で光によって違う表情を見せるのかもしれません。
空も地もなく、まるで自分が池の中に包まれているように感じさせる絵。
終わることのない夢、終わることのない時間を絵で表現しようとしたそうです。
まるで絵の世界に吸い込まれそうな不思議な感覚がします。
あのジベルニーの庭を見ていたからこそ、このように絵を感じられるのかもしれません。
この美術館には他にも、ルノワール、セザンヌ、モディリアーニ、ピカソなどなど見所がとても多いですが、今回はモネの作品を中心に見学。
美術館を出る前に、再度睡蓮を見ました。というか拝むという方が適切な気がしてしまいます。
このサンクチュアリーのような空間を体験させて頂いた感謝の気持ちを伝えたくなりました。
もっと見たいところもありましたが、こうしてパリにあるモネの絵を巡ることができて、とても有意義な時間でした。
その後は近くの公園で一息。この日は気温は低いのですが、お天気に恵まれた1日でした。
最後になりますが、今回のパリで出会った素敵な風景。。
チューリップに一足早い春の訪れを感じます。
宿近くのお花屋さんのショーウィンドーの中にいた猫ちゃん。
通りすがりに一瞬でしたが、こんな素敵な表情を見せてくれました。
日々充実のパリの旅でした。
展示会場でのインテリアも、
街の中での歴史、景色、絵画や芸術からも、たくさんの学びがありました。
理解を深めることで、より深く感じられることがあるのだと思います。
多くの出会いに恵まれた、とても有意義な旅でした。
ユーロスターで一路ロンドンへ。
ただいま!
パリもとても素敵な時間でしたが、やっぱりホームタウンが一番落ち着きます。
この旅での多くの出会いに感謝しつつ、これからもロンドンで頑張りたいと思います。