地球の裏側から住まいづくり12)家づくりを終えて
慌ただしい家づくりが終わりました。
2017年12月のことです。
長めに時間を取って計画したつもりですが、過ぎてしまえばあっという間です。
私の帰国前夜に、家族総出で新しい無垢のフローリングにワックスを塗り込みました。懐かしい思い出です。
家づくりが終わったら、したいことがありました。
”写真入り年賀状” です。
両親にとっての新居での初めてのお正月。門出にふさわしいと思いました。
サンプルから見るに、結婚、出産、新居が多い。若い人向けが多いんですね。シニア向け写真年賀状ももっと増えて欲しいと思いました。
家づくりを得て思うことは、家づくりの収穫は家だけではない、ということです。
それぞれの過程で、調べ、話し合い、ショールームをたくさん巡ったりしました。
こんなに家族で時間を共にしたのは、いつ振りかわかりません。
私の両親は職場結婚だったのですが、その職場が新宿にあったようで、ショールーム巡りの途中に昔の思い出話に話が咲いたりもしました。知っているつもりで、実は知らなかった両親のことがたくさんありました。
皆が同じ目標に向かう、という楽しみがありました。
打ち合わせは私が日本に一時帰国の際に集中的に進めたため、慌ただしい時もありました。
でも、そんな時間の全てが今となっては懐かしく、家のどこを見ても思い出がよぎります。
今回の家づくりでは、計画開始から工事に入るまで1年と数ヶ月。
工事はスケルトンリノベーションという、既存の骨組みだけを生かした全面改装。約7ヶ月かかりました。
敢えて、通常の家づくりより長く時間を取るようにしました。
”暮らしたいライフスタイルを実現するための家づくり”をしたかったのと、両親にせっかくの住まいづくりを楽しんで欲しかったからです。
今まで考えたこともないことを突然決めるのは、不安でストレスの多いことになるかもしれません。
よくわからないままに、時間がないからと焦って決めて、後で”こうすればよかった”と後悔しないために、
工事の前にきちんと調べて計画を立てることが、”満足する家づくり”の秘訣だと思います。
余談ですが、この家づくりが始まった時に、私は心の中で”つながる家づくり” と名づけました。
この家づくりを通して、巣立った子供達も含め、また家族が一つになれたらと願ったのです。
最初の願い通り、この家は皆を”つなぐ”家になりました。
これから時と共に、家が成熟していきますように。
このプロジェクトでの施主家族としての経験は、私にデザイナーとしても大切な視点を多くもたらしてくれました。
住まいづくりは、そうしたいと決めたときから始まっています。
たとえ、家を買ったとしても、すでに工事が必要ないとしても、住まいづくりはできます。
ただの”家”を家族の”ホーム”にするということ。自分の憧れのライフスタイルを叶えるインテリアにするということ。
家は、そのインテリアを包む箱なのですから。
時と共に家族にも変化があるように、住まいも少しづつ変わります。
これからは家族でそんなインテリアの成熟を楽しんでいきたいと思います。
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