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Healing Jungle Project

先日写真をアップした、Healing Jungle Project.

メインはお部屋のスタイリング。

それと、キッチンとリビングの間の壁に開口部を作り、カウンターを作りました。

スタイリングとは、一言で言うとインテリアの模様替え。 ”素敵なお部屋にすること” です。

家具、照明、飾り物という動かせるものを中心にインテリアを作ります。壁紙を貼る、ペンキを塗る、照明器具を変えるという程度の小さな工事が発生する場合もありますが、今回は壁に開口部を作るという少し特殊な工事もあったスタイリングです。

今回はこちらのプロジェクトの計画から完成までの様子を簡単にまとめます。

最初にこちらにお邪魔したのは、2017年1月でした。

お引越しされたばかりの、真新しい内装のフラットです。

“インテリアをどうしていいのかわからなくて。。”というのがご相談でした。

創りたい雰囲気、ありますか?の問いに、“ジャングルみたいなお部屋”とのお答え。

住まい手の方は、ロンドンのシティで働かれるキャリアウーマン。早朝から遅くまで、とてもご多忙な毎日です。

緑が多く、家に帰ると癒されるようなお部屋。

日々のストレスから癒され、心安らぐ。

明日へのエネルギーを養える。

さっそく ”ジャングルのようなインテリア” のリサーチを重ねました。

インテリアを考える時、よく”家具はどうする?カーテンは?”と、アイテムに走りがちです。

でも、お部屋のインテリアを素敵にしたいのは、結局はそのお部屋で心地よい時間を過ごしたいからです。

まずは、自分がそこでどんな時間を過ごしたいのか?安らぎ?楽しく?にぎやかに?

それを考えてみませんか?それによって作るものも選ぶものも、変わってくるのです。

ムードとは、お部屋の雰囲気です。まるで〇〇にいるような、こんな時間を過ごしたい、というもので、これを最初に考えるのはとても大切です。

下にあるのは、このプロジェクトのムードです。

テーマは "Healing Jungle"

ジャングルというと、熱帯のような、また樹海のようなものもあります。

このリビングでは熱帯のような自然のエネルギーを感じつつも、包まれるような心地良さがあり、思わずうたた寝したくなるような雰囲気です。

さて、デコレーションのメインはレセプションルームです。ただ壁面にかつて小さな開口部があったと思われるようなニッチがあり、隣のキッチンと部分的に繋がっていたようです。(余談ですが、このニッチ上の白い2つはペンキのテストカラー。工事前の実際の壁に塗ってテストしています。同じ”白”でもいろいろあるのです。)

構造の専門家(Structure Engineer)にみてもらうと構造壁。全部を外すことはできませんが、思い切って壁面に開口部を作り、レセプションルームとキッチンを繋げることにしました。(カウンシルへの申請等が必要になり、当初の予定よりコストも時間もかかりましたが、結果的にはこれは大正解でした)

その間にもインテリアの計画は進みます。

まずは、先のムードボードのように作りたい空間のムード(雰囲気)を決めました。

そして、それを実現させるために、家具や壁紙など具体的なアイテムを選んでいきます。

この時に、“作りたい空間のイメージ”として、以前行ったホテルのインテリアがよかった、とか雑誌で見たあのインテリア、というのがあると参考になります。

でも、今の自分の部屋を前にして、“作りたい空間のイメージ”を具体的に描く、というのはとても難しいのです。

というわけで、土曜日の半日を頂いて、特別インテリアプライベートツアーを実施。

予め選んでおいたショップ、ショールームをご一緒して、実際に見て、触れて、体感して頂きました。

そこで、だいたい欲しい家具の目安も付き、“作りたい空間のイメージ”も具体的になりました。

こちらが、実際の家具、照明、壁紙、アクセサリーのイメージも入った ”コンセプトボード”です。

最初の ”ムードボード” の雰囲気がお部屋になるとこのようになる、というつながりがわかりますよね。

家具のレイアウトはこのような感じです。お部屋と家具のサイズを把握した上でスケールを合わせて作成します。

こうすることで、空間の中でのサイズ感や動線も確認できます。

下のようなアイテムリストも用意します。購入予定のものを一覧にして、金額とスケジュールを把握します。この時点で予算やスケジュールが合わないと、アイテムの一部を変えたりして調整していきます。この時に大切なのが、コンセプトから外れない、ということです。

余談ですが、インテリアデザインを考える際に、”どんなお部屋にしたいのか?自分がそこでどんな時間を過ごしたいのか?”を考えることがとても大切だと先に書きました。

それと共に、優先順位を明確にすることも大切です。

ポイントは、欲しいもの、スケジュール(時間)、コスト です。

実際はいろいろな条件をクリアしながら形にしていきますので、全てを満たすことはかなり難しいです。

例えば、こだわりのこれが欲しいけれど予算が厳しい、となれば、見つける際に時間がかかるかもしれません。

こだわりのこれをある時間内にみつけたい!となれば、コストがよりかかるかもしれません。

私の経験談としては、あくまで ”欲しいもの” を一番大切にして、時間(スケジュール)とお金(コスト)は欲しいものに合わせて柔軟に調整する、というのが結果的には一番満足度が高いと思うのです。

さて、壁に作る開口部ですが、その部分を対面カウンターにすることにしました。

当初多目的に使えるように、カフェのような小さいテーブルを入れる案もありましたが、場所を取りすぎてしまいます。なので、テーブルのようにも使える多目的カウンターにしました。ホームパーティーの時にも大活躍!

その材質は。。。

ここは悩ましいところでしたが、ジャングルテーマに合わせて、イギリス北部の木こりさん?より無垢の1枚板を購入。それを4枚用意し、フレームのように囲むことになりました。

Live Edgeという木の側面をそのまま生かした、ナチュラル感が特徴です。

この板がとても素敵なので、キッチンのコンロ横にも追加で棚を作りました。その写真は最後にあります。

工事としてのメインは、壁の穴あけです。

こちらは開ける前。

下が開口部ができた状態。

わかっていても、” WOW ”と思う瞬間です。笑

壁の断面や構造など、まじまじと見てしまいます。こちらはフラット内の構造壁。頑丈です。

サポートを入れ、無垢の木の板で仕上げてもらい、それは見事な開口部になりました!

仕上げはまだまだこれから!

後は、壁紙に、ペイントに、家具に、ラグに、照明に・・・ 

お部屋が素敵な彩られていきます。

木のスラブが届いた時に、サンプルを重ねて色を確認。わくわくする瞬間。笑

工事は完成しても、それだけでは終わりではありません。

フィニシングタッチ、という最後の仕上げが必要です。

ガーデンセンターや、アンティークマーケットもご一緒して、グリーンや小物を揃えて行きました。

そして、写真撮影。

カメラ越しに見える新しい”お部屋の表情”に、自分の部屋じゃないみたい!、との驚きの声も頂きました。

とてもいい空気感のお部屋になりました。

写真に多く登場しているかわいい豚さん。ますます輝いて、嬉しそうに見えます。

クライエントの方も、これを機にインテリアにご興味を持たれて楽しんでいらっしゃって、お呼ばれする度に素敵な雑貨が増えています。

” 家にいる時間が楽しくなった”

インテリアデザイナー冥利に尽きる、お言葉です。

お仕事でお忙しい生活はお変わりなくても、家にいる時間の“質”が変わったことと思います。

インテリアを変えることは、自分へのおもてなしだと、改めて感じました。 (参照 "自分へのおもてなし ー 部屋の空気が変わるということ" はこちら

住める“HOUSE”を、住みたい “HOME”にする。

そのことの大切さと、素晴らしさを私自身も感じた、素敵なプロジェクトでした。

こんにちは!齊藤洋子です。

ロンドン在住のインテリアデザイナーです。

仕事、旅の思い出、海外生活の様子を綴っています。

趣味:

街歩き、お屋敷巡り、歴史探索、インテリア、アート、アンティーク、工芸品を見ること。 

座右の銘:

一期一会、温故知新、七転び八起き

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