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ポルトガルのタイル、アズレージョに魅せられて

ポルトガルのリスボン&ポルトへ旅したのは先週、2018年5月下旬のことです。

気温は20度程度、日差しは初夏でしたが、暑過ぎずちょうどいい気候でした。

FBに取り急ぎ写真をアップしたら、反響があったのはこんな写真たち。。意外でした。笑

歴史的に日本と関係も深いポルトガル、つながりを感じるところも多いのかな。

素敵なところはたくさんありますが、今回私が一番魅せられたのは、アズレージョというポルトガルのタイル!

写真はポルトのSao Bento Station. 壁面のタイルが圧巻です。

元々タイルや陶器は好きですが、このパターンといい、色といい、質感といい、完全に魅せられました!

今回はそんな私のアズレージョから見る旅の思い出話です。

アズレージョとは、ポルトガルで生産される上薬をかけて焼かれたタイルで、500年の歴史があります。

その14cm角に描かれる世界は、ポルトガルの歴史であり、文化であり、物語であり、神への祈りであり、富の象徴であり、アーティストの表現の場であります。

このアズレージョに関する”国立アズレージョ博物館”があります。

ウェブサイトでは多くを語っていませんが、インテリア好き、陶器好き、そうでなくても絶対に楽しめる、オススメの場所です。

入り口では、素敵なお花が迎えてくれました。

これは中のカフェの様子。壁面のタイルがとても素敵です。

この博物館では、アズレージョの歴史が紹介されています。

ポルトガルの建物、教会、街中で見られるアズレージョの歴史とは、ポルトガルの歴史であったのだと気付きました。

15世紀にスペインから入ったアズレージョ、語源はアラビア語のゼリージュ(ほうろうで覆われた素焼き)に由来しているそうです。

主に壁を覆うという目的で使われていたアズレージョ、15世紀のルネサンス期にはイタリアからマヨリカ技術というタイルに直接色をつける技術も持ち込まれ、さらに発展を遂げたそうです。大航海時代で、近隣諸国と多くの交流があったんですね。

まるでアートのような壁面タイルがお出迎え。

博物館内に使われているアズレージョも素敵で、見入ってしまいます。

階段の側面もタイルで装飾。絵に見入って、足元踏み外さないように。笑

廊下の側面もタイル。ここは中庭に面した廊下で、自然光が当たるとタイルがより生き生きを見えます。

家具の表面もタイルで仕上げられています。思わず吸い込まれそうな美しさです。

リスボンは1755年に大地震に見舞われ、海辺の街リスボンは津波で大被害を受けたそうですが、

その復興の影響でこのアズルージョは大量生産されるようになったそうです。

宮殿、教会、貴族のお屋敷、タイルで彩られた素敵な建物をリスボンとポルトでたくさん見ることができました。各時代の芸術様式から影響を受けた見事なデザインです。

各時代の芸術様式の影響を受けながら発展したアズレージョは、20世紀になるとさらにアーティストの表現の手段としても発展。多くの斬新なタイルも見受けられます。

なんとゴールドで、立体!

こんな楽しいパターンも!

博物館では、歴史毎にその特徴が細かに説明されています。アズレージョから見るポルトガル歴史。そこに描かれている絵柄、デザインはまさしくポルトガルの歴史と文化そのものだとわかりました。

それまで漠然とこの素晴らしいアズレージョを見ていた私。

ここで歴史を知ったことで、俄然アズレージョを見る目が変わります。笑

(何を隠そう、新しい土地に行くと、必ず最初に歴史博物館に行きたい私。無知なりに歴史好き)

博物館を出た後は、街をぶらぶらしながら面白いと思ったタイルを写真でパチパチ。。していたら全く前に進めません。笑

19世紀には、アズレージョはその家の豊かさを表すようになったと博物館で書いてありました。絵の細かいもの、立体的なものは制作に時間がかかるので、納得です。そんな視点で壁面のタイルを注意深く見るとまた面白いです。

リスボンの街並み。

建物それぞれが個性的です。

中央の建物の壁面が気になりました。

なんと、立体的なタイルです!下の方が壊れているのはちょっと気になりますが。。

他に街で見つけた素敵なタイルと建物もご紹介します!

外観はこちら。窓枠やドアがネイビーなのです。

タイルの拡大はこちら。

タイルのアップと、タイルが使われている建物全体の写真の両方が欲しいものだから、道路を常に横断してパチパチ。。

全然前に進めません。笑

地下鉄駅構内の壁面ですら、素敵なタイルアート(と言ってもいいはず!)に出会えます。

この14cm四方には、たくさんの歴史や文化が凝縮されています。

それぞれが個性的で、ひとつひとつをもっとじっくり見ていたい気分です。

この素晴らしい彩りや、パターン。

空間にあると、雰囲気が変わると思いました。

その歴史やディテールをもっと知るために、次はアズレージョの工房を訪ねたりしてみたいなぁ。。

そして、アズレージョの良さを生かして、将来のプロジェクトに使ってみたいと思いました。

こんにちは!齊藤洋子です。

ロンドン在住のインテリアデザイナーです。

仕事、旅の思い出、海外生活の様子を綴っています。

趣味:

街歩き、お屋敷巡り、歴史探索、インテリア、アート、アンティーク、工芸品を見ること。 

座右の銘:

一期一会、温故知新、七転び八起き

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