ロンドン秋のインテリア展示会 デコレックス前半
- Yoko Saito
- Jan 7
- 8 min read
Updated: 5 days ago
秋のロンドンはインテリア&アート関連のイベントが盛りだくさんです!
その中でも今回はプロ向けインテリア商材の展示会、デコレックスの様子を前半と後半の2回に分けてご紹介します。
前半の内容
デコレックスって何?
特設会場の展示で私が感じた、最近のイギリスのインテリアの様子
デコレックスでのサスティナビリティへの取り組み
後半の内容(後半の記事はこちら)
会場内で良く見た色や柄
デコレックス会場内で出会った日本美【Window To Wakayama】
まとめ
ではさっそく前半の内容からお伝えしましょう♪
デコレックスって何?
デコレックスはイギリスのインテリアのプロ向け展示会です。年1回秋に開催されていて、今年の開催日は10月12日~15日の4日間。過去47年間に渡り開催されています。2018年まで郊外の特設会場で行われていましたが、2019年からは西ロンドンのケンジントンオリンピアというイベント会場(下写真)で開催されています。

出展社数は280社以上、イギリス国内の会社が多いですが、ヨーロッパからも出展もあります。来場者数は67000人程、65ヶ国からの来場者がいるそうです。過去に行ったパリやミラノの展示会に比べると、海外からの来場者向けの対応があまり目立たないので、そんなに多くの国から来ているんだ!と少々驚いた私です。
写真は会場内の様子。各出展者のブースが並びます。

下の写真は出展者のマップですが、色のついた部分はデコレックスの主催者側が用意している特設会場です。
皆が使えるバーエリアがあり、イベントやセミナー会場、ワークショップの会場も複数あり、特別なチケットを持っている人だけが入れるVIPエリアもあります。
各特設会場に特徴があり、現在のイギリスのインテリア業界の動向が伺えます。各出展者の製品を見る以外にも、見所がたくさんある展示会です。

特設会場の展示で私が感じた、最近のイギリスのインテリアの様子
次は特設会場の一つである、Barエリアをご紹介します。ここは誰でも入れます。

Rich Autumn Gardenというのが今回のテーマでした。
上部のテントが特徴的です。これはMarquee(マーキー)という特設イベント会場を模したもののようです。Marquee(マーキー)は庭園の中に作られる特設イベント会場で、庭園に行くとここで結婚式等のパーティーをしているのを良くみかけます。これがあると風や雨もよけられるので、自然を感じながらも快適にイベントが行えます。
ここは、まるで庭園のマーキーの中にいるような感覚で、リラックスしてネットワーキングができる、というスペースです。
毎年選ばれたデザイナーがこのBarをデザインしていて、看板で紹介されています。

植物で秋の色を取り込んでいます。

木のように見える部分は柄の布を巻き付けてあります。こういうところが、インテリアの展示会らしいです。

庭園というイギリスの伝統的な要素をコンテンポラリーなスタイルで表現しています。
自然の中に溶け込み自然と共に生きる、というイギリスらしい感覚を表していると感じました。
次は、見所2つめの特設会場のVIPエリア。
ここは先程のBarエリアとは違い誰もが入れる場所ではなく、入るのに特別なチケットが必要です。
ここも来場者のネットワーキングの場所ですが、VIPエリアらしく落ち着いたラグジュアリーな雰囲気になっています。このVIPスペースも毎年選ばれたデザイナーがデザインしています。
今年のテーマはhippodromes(発音:hi·puh·drowmz)。昔サーカスが行われていた演芸場(シアター)からインスピレーションが来ています。上の動画は入ってすぐの丸く回遊するホール。シアターが始まる前にワインでも少々傾けるスペースです。
モデルとなったシアターの建物は今もレスタースクエアにあります。
1900年に建てられたので、このデコレックスの会場と同じケンジントンオリンピアと同時期の建物。
壁面に描かれているのが、インスピレーションの源の当時のサーカスの様子。

イギリスのシアターで見られる小部屋のような作り。少人数で落ち着いて話せます。

中心部の両サイドには通路があり、その先にはそれぞれの小部屋があります。

各部屋にソファやイスがあり、落ち着いて話せる雰囲気。

シアターに集う、ハイソサエティな人々の社交場という雰囲気です。VIPエリアらしいですね。
このように伝統的なものをインスピレーションにして、それをコンテンポラリーなデザインで実現する、というのも、とてもロンドンのインテリアデザインらしいと感じました。
デコレックスでのサスティナビリティへの取り組み
今まで特設会場の様子から、イギリスのハイエンドマーケットのインテリアの様子をお知らせしてきました。
BarとVIPエリアは毎年あるのですが、今年特に力が入っていたと感じた特設会場の部分をご紹介します。
それは、サスティナブルに関するスペースです!
サスティナビリティ(Sustainability)
このテーマはインテリア業界だけではなく、今世界的にとても重要なテーマです。
私も今回の記事を書くにあたり、サスティナビリティについて復習しました。
サスティナビリティとは?
サスティナビリティは日本語だと持続可能な開発と訳されていて、:「持続する(sustain)」+「能力(ability)」から言葉がきています。
地球の資源や環境を守り、すべての人々が豊かに暮らせる社会を、未来の世代にも引き継いでいけるように、今から行動していこう!というものです。
環境保護、社会貢献、経済的利益のバランスを取りながら、地球全体の持続的な繁栄を目指すことが目的です。
会場内にあったこちらの看板では、デコレックスでのサスティナビリティへの取り組みを紹介しています。

看板の内容は以下です。
Decorex2025の取り組み
1.再生可能エネルギーの利用
2.カーペットはイベント後の再利用
3.特設会場は無駄を最小限に留めてデザインされている
4.印刷物の再生紙の利用
5.インテリア業界のチャリティ団体へのサポート
これから会場内で見られたいくつかのサスティナブルへの取り組みについて、ご紹介します。
まず、このサスティナブルスペースという、サスティナブルに特化したセミナー会場。

毎年デコレックスではいくつかのセミナースペースがあり、期間中を通して、様々なセミナーが開催されています。
今年は複数あるセミナースペースのひとつが、このサスティナブルスペースでした。
サスティナビリティに特化した内容で、いろんなサプライヤー(製品の製造会社や販売会社)やインテリアデザイナーによるトークがありました。
トピックとしては、地元の伝統的な工芸や材料を使うことが重要という話や、いかにインテリアの無駄を削減していくか、ウェルビーイングに良い色、音、光を使ったデザイン等、どれもとても興味深いテーマでした。
今まで、セミナーのトピックの中にサスティナブルに関するテーマがある、という感じでしたが、今年はサスティナブルに特化したセミナースペースが別にできているということに驚いた私。それだけ力が入っているテーマなのです。
他には、Making Spacesというコーナー。
14人の職人達がそれぞれのブースで作品や作品が出来るまでの工程や物語を紹介しています。
この場所でワークショップの開催もありました。


このコーナーはデコレックスの主催側とは別に運営している委員会があり、その運営委員には他のクラフトイベントの運営者や影響力のあるギャラリーオーナーの名前が入っていました。
サスティナビリティ、アート、クラフト、インテリアの融合が見られます。
単にインテリアがインテリアだけに留まっていない、そんなところもまたイギリスのインテリアらしいと感じます。
最後にご紹介するのは、Furnishing Future というチャリティ団体。(Furnishing Futureのウェブサイト(英文)はこちら)

この団体は、家庭内暴力から逃げてきて公営住宅(Social Housing)で新生活を始める人たちに、整ったインテリアを用意するという活動をしています。
避難者に与えられる住宅の多くは無機質な空間。イギリスの場合は新築ではないので、手入れのされていないボロボロの空間であることも多いようです。その空間のインテリアを整えてあげることは、心身ともに傷ついた辛い立場にある人々にとっての癒しの場所になります。ここで使われる家具やインテリア用品は寄付や廃棄待ちの不要品。
下の写真はFurnishing Futureのサイトから引用した写真です。
どちらの空間に通されたいかは一目瞭然ですが、辛い立場にある時なら尚更身に染みると思います。

整った住空間に暮らす、というのはお金がある人だけの特権と思われがちです。
でも、例え高級な家具やカーテンでなくても、整った温かい住空間、心安らげる場所は全ての人にとって必要な場所で、それが本当のホーム、というものでしょう。
このハイエンド商材のインテリア展示会で、こういったチャリティ団体の紹介が見られたことを、とても嬉しく思いました。個人的には今回デコレックスで見た中で、一番印象的な内容でした。
長くなりましたが、前半は以上です。
後半は、今年みかけた色柄、デコレックスで出会った日本美、とデコレックスを訪ねた感想をまとめます。
どうぞ合わせてご覧下さい♪ 後半の記事はこちら
#ロンドンインテリア展示会2025
#デコレックス2025
#Decorex2025











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