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地球の裏側から住まいづくり4)リノベ?住み替え?新築?


(写真は今回の家づくりの影の主役である、猫のメロンちゃん)

70代手前の両親が、築40年近い”大掛かりなテコ入れ”の必要な家を前に、”さぁどうする?!”となりました。

子供達の巣立ちから長らくの時が経ち、老後のために持て余し気味の家のダウンサイジングを決めました。大きな生活の変化を前に、これからどう暮らしたいかも考えています。

でも、家を何とかしたいけれど、実際ハードルの高いことがいろいろわかると、心に不意に風が吹き込むのです。

それは、

「そもそも」建て替え、リノベーションする必要があるのか?ということです。こんなに大変なら他の案はないかしら?

他の案があるとしたら、以下でした。

A)そのまま住む?

B)売却してマンション購入?

C)売却して、住宅購入を考えている兄家族と二世帯住宅?

D)家を賃貸に回して、他にマンションを借りて住み続ける?

このタイミングならではの、他の選択肢です。

せっかくならそこから考えてみるのもいい方法だと思いました。だって今だけです。

うちの場合は状況として、

今までマンション暮らしで、そのままそこが終の棲家になると思っていた、というのがあります。

うちの両親は子供時代は戸建てで暮らしていたので、やはり「いつかは土に近いところで暮らしたい」という話が出たことはありました。でも、子供時代から集合住宅暮らしの私にはその感覚はなく、個人的には「マンションの方が楽」だと思うのです。その理由は3つ。

1)マンションなら自分の住んでいる部分、だけメンテナンスすればいい。共有部分の心配はお金の支払い以外はありません。戸建てだったら外構も、庭も手入れしないといけないですし、定期的なメンテナンスも欠かせません。

2)戸締まりは基本的に玄関ひとつで大丈夫。

(特にうちは最上階の角部屋なので、窓からの侵入者は命がけでしょう。スパイダーマンのように入ったところで何も金目のものはありません。笑)

戸建ては、勝手口があったり、窓が多い分、戸締まりも大変。また毎晩のシャッターの開け閉めも大変。

3)エレベーターがある

戸建てで平屋ならまだしも、狭小住宅になるのです。1階と2階全てを使っても、家族で暮らした今のマンションより狭いのです。

98歳で大往生の祖母は戸建てに暮らし、90代でも元気に出かけていましたが、それでも最後の数年は2階には行かずキッチン、リビング、寝室のある1階だけで暮らしていました。そんなお宅は他にもたくさんあると思います。

なので、「家の中だけ面倒見ればよく」「戸締まり簡単」「エレベーターで希望の階まで来てくれる」マンションがシニアには絶対いいと思っていたのです。今もそう思います。

なので、B)売却して他にマンション購入?という選択肢が出ました。

実は近所の不動産屋さんに相談もしましたが、うちの場合は母の生活エリアが狭く地域との密着度が高く、「○町○丁目」という狭いエリアで完結しているため、他のエリアが考えられません。生まれ育った地とは言え、狭い!(笑) 

すると、条件に合う物件などほとんどなく、B)売却してマンション購入?の案は自然消滅。

そんな矢先に、なんと道路を挟んだ向いの素敵なお家が売りに出ている!との情報が。

見つけたのは、当時住宅購入を検討中だった私の兄(は子供3人の5人家族)。両親からすると長男。

「家を建て替えるのが大変なら、更地にして売って、すでにある別の家を買う方法もあるよ」と。

でも、売りに出ている家は、土地が60坪もあり、家のサイズもうちの2倍の二世帯住宅。ご近所なので今まで住んでいた方も顔見知り。

吹き抜けに、品のよいイタリア産タイルなど、建築当時は雑誌に出たというのも頷ける素敵な家。でも、両親だけでは予算が足りません。

「じゃあ、お兄ちゃんも家を探してるんだから、合算して二世帯にして住んだら?」と聞いたら…

「無理!」と間髪入れずに返事がありました。まぁ、うちの母は個性的なので納得ですが。

私ならできたかもしれないけど、今や地球の裏側の住人だし…。というわけで、C)売却して、住宅購入を考えている兄家族と二世帯住宅?の案も自然消滅。

すると残った選択肢は、

A)そのまま住む?

D)家を賃貸に回して、他にマンションを借りて住み続ける?

築40年弱の古家です。水回りも古く、D)は難しい。かつてはそれでもいいという大工さんが、現状復帰の必要無しという条件で、勝手に直し借りてくれていたものの、そんな条件の合う借り手はそうはいません。なので、D)の案も消滅。

A)そのまま住む?、だって、あまり現実的ではないのです。特にまもなく70代を迎える両親にとっては。住み始めてから改装か建て替えする方が大変です。

というわけで、選択肢は全滅し、やはり今建て替えか、スケルトンリノベーションをする、という結論に至りました。

結果的には同じところに戻ったのですが、このタイミングで他の案を一通り検討してよかったと思います。

もしかしたら他の方がいい場合もありますし、少なくても心の迷いはなくなりました。これで心置きなく次に進めます。

こんな「そもそも…」に悩みつつも、私の2回目の東京滞在(2016年8月〜9月)は過ぎていきました。

家づくりは、実はリサーチや下調べの方がずっと時間がかかるのだと気づき始めたのはこの頃でした。


こんにちは!齊藤洋子です。

ロンドン在住のインテリアデザイナーです。

仕事、旅の思い出、海外生活の様子を綴っています。

趣味:

街歩き、お屋敷巡り、歴史探索、インテリア、アート、アンティーク、工芸品を見ること。 

座右の銘:

一期一会、温故知新、七転び八起き

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