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地球の裏側から住まいづくり9)2階間取りの秘密

ここでは、メインの生活エリアとなる2階部分の間取りのポイントをご紹介します。

プライベートのエリアと、もてなしエリアを分ける

視線の向かう先を考える。

広さより、広がり感。

この家は日当たりのいい2階を生活の中心エリアにしました。

食事に、趣味にと、両親が起きている間の時間を過ごすのは基本的にこの2階です。

2階の間取りを考える際に意識したのは、主に上の3つのポイントでした。

とにかく狭いですが、広くはできません。

いかにして、”広さ感を出すか”を考えました。視覚効果です。

なので、壁ではなく“エリアで区切り”、開放感を出すようにしました。

また元2階部分の天井を外し、2階は吹き抜けにしました。元々の梁がインテリアに個性を出しています。実は古い柱のいくつかもそのまま残っているんです。どこでしょう??

視覚的な広がりを出すために、お隣さんが接近していないところは窓を大きめに開けて、視線が抜けるようにしました。また南北の風の通り道も意識しています。家の中で自然を感じる暮らしがしたい、というのも希望でした。

エリアとしては、プライベート(キッチン&趣味部屋)と、もてなしエリア(ダイニング、畳小上がり)を分けて、階段はその中心につながるようにしました。

うちの母はパッチワークとミシンが趣味です。キッチンからつながる趣味部屋が欲しいというのが要望。でも、母は全然片付けと掃除が得意ではありません。

狭いからと全てをオープンにすると散らかり部分が丸見えです。なのでキッチンとつながる趣味の部屋は、お客様も入るダイニングエリアから敢えて見えづらくしました。

オープンプランで人気の”カウンターキッチン”は、厨房のような使い勝手のいいキッチンが欲しく片付け下手なうちの母には不向きと判断。小さい子供もいないので、リビングを気にしながら料理する必要もありません。人気だから、と取り入れるのではなく、住まい手に合うかで考えることが大切です。”地球の裏側から住まいづくり2)住む家族と場所”

2階に設けたトイレも、出入りがダイニングから丸見えになるのを避けたかったので、それが気になりづらいところに持ってきました。上の写真中央のブルーの扉は実はトイレの入り口です。

キッチンの様子。写真は夜ですが、昼間は自然光がたくさん入ってとても明るいです。以前はマンションで自然光の入らないキッチンだったので、それに比べるととても明るくて、狭いけれど開放感があります。

キッチンからの眺め。南側のちょうど隣家がない部分を狙って窓を取っています。狭いので外が見えて開放感があるのは大切です。キッチンの右手が趣味の部屋。

こちら趣味の部屋は、パブリックエリアのダイニングから見えないようになっているので、気兼ねなく散らかせます。笑

また奥の勝手口から外に出られます。家中をはるばる運んで玄関からゴミを捨てに行きたくない、というのが母の要望でした。またこの部屋はキッチンの収納も兼ねるので、使い勝手のいいオープン棚を用意。机の下は必要に応じてキャスター付きの棚や引き出しを追加できるようにオープンです。

階段を上がって最初に見える場所に、”個性あるもの”を置く。(見せ場をつくる)

空間のレイアウトを考えるときに、そこから最初に何がどのように見えるか(フォーカルポイント)を意識しました。

ペレットストーブは、最初から母の希望でした。

寒冷地の家でもないのにと思いましたが、実際に見学に行くと家族全員一目で気に入りました。とても暖かいだけでなく、可愛らしくペットのようです。火の見える、ペレットストーブの前は特等席になりそうです。

ただ通常のストーブよりも奥行きが大きく、置く場所が悩ましかったのですが、階段を上がった家の中心にフォーカルポイントとして付け、暖かさも空間全体に行き渡るようにしました。

余談ですが、イギリスではリビングの暖炉は中心で、フォーカルポイントです。そんなイギリス生活の経験が生かされた部分かもしれません。

ダイニングテーブルに集う

何しろ小さい家なので、ダイニング、リビングの両方を広々取ることはできません。

手持ちの一枚無垢板の6人が広々集えるダイニングテーブルを持って行きたいという希望があったので、それを部屋の中心にして、ダイニングエリアと集いの中心にしました。

この頭上には、複数のペンダントライトが集まって下がるようになります。それぞれの個性を持った家族が集まる場所、というのをシンボル的に表そうということになったのです。

リビングの代わりに畳コーナー

新居では、場所の関係上ダイニングとリビングの両方を広々取ることはできずダイニングを優先しました。なので、リビングの代わりに畳コーナーを設けました。

最近は畳のない家も多くなっていますが、両親は畳派です。

気軽にごろりと横になれる場所が欲しいというリクエストもあり、一段高くした畳コーナーです。畳の下は収納で、小さいながら造作の掘り炬燵もついています。一段高いところに腰をかければ、ダイニングテーブルにいる人と気軽に話もできます。

実際にここにはウッドデッキもあり、畳と同じ高さで外に続いています。畳スペースは3畳しかありませんが、外を取り込んで広がり感を出しました。

ここはちょうど向かいの家の空いた土地になっていて、前に何もありません。思ったより日当たりがよく、ごろ寝に最適な場所になりそうです。

ご近所の馴染みの畳屋さんから来た熊本産い草がいい香りです。

悩み多い、階段の位置と形状

終の棲家かつ2階建狭小住宅の最初の悩みは、階段でした。

エレベーター等も最初は考慮しましたが、今は不要ですし、後からつけるとしても階段も必要です。階段とエレベーターの両方の場所は厳しい。。

将来的には必要であれば階段昇降機を設置する、ということでエレベーター案は外し、いつまでも使いやすい階段にしました。

転んだ時も考えると直線階段は避けたいし、傾斜の緩やかな登り下りしやすい階段が理想的ですが、すると場所を取ります。

1階はここでいいけど、2階では、、と半透明のトレーシングペーパーを重ね重ねて考えました。他の部屋の位置、サイズとも関わってきます。

最終的には、公私エリアを区切った中間位置、来客時に私空間を見せなくてもよい位置につけました。



こんにちは!齊藤洋子です。

ロンドン在住のインテリアデザイナーです。

仕事、旅の思い出、海外生活の様子を綴っています。

趣味:

街歩き、お屋敷巡り、歴史探索、インテリア、アート、アンティーク、工芸品を見ること。 

座右の銘:

一期一会、温故知新、七転び八起き

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